はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

月に行く

呼吸がいらなくなったら あなたと月に行く 寒さも暑さも感じない 無限の空間に浮かんで 光に包まれ、二人影になって 手を繋いで昔話をしよう 時間まで 人が生まれ変わるのは また会いたい人がいるからなのかもしれない 僕らが離れて記憶も消えて 長い時間が…

ねがい

君が自殺しても 事故か病気で死んでも 悲しみを忘れられるように 逃げ出せるように 本をたくさん買った もしもの時は ただひたすら没頭しようと思う 現実全部無視して 別の世界に入り込もう そうして気が付いた時には 大きく変わった環境の中で 初めて会った…

火をつけて

もう戻れない 戻らなくていい 今僕は檻の中で 足枷を嵌められ 仮にこの身をあなたに捧げても 僕はここから出られない あなたが何も思わなくても あなたの助けになれればいい この胸から流れ続ける血に 火をつけて焼こう いずれ全て忘れるだろう 為すべきこと…

人間のさが

何百何千の漫画や本、音楽や映画を消化するより 孤独じゃないってことの方が価値的なのかもしれないと思った ざんざか降りの雨のバスの中 ざんざか降りの雨に濡れるたぬき

後年の平穏な生活

あなたは安物のカッターで自分の皮膚を何度も切る 気に入らない事があると話の内容を故意に曲解して激昂し更に罵倒し自傷する そんな生活にはもう疲れたし慣れた そんな脅迫癖はもう改善しようとすら思わない あなたがとち狂う横で資格の勉強を始める あなた…

東と西

僕らは軍事で語り合うべきじゃない 敵を作っているのは自分自身の疑心暗鬼だ 話し合って分かり合えないなら 何十年でも時間をかけて話し合い続けるべきだ 僕らは兵器で語り合うべきじゃない 敵を作っているのは自分自身の被害妄想だ 話し合って通じ合えない…

タヌキとミーアキャット

あなたがいると僕は自由に生きられない でも僕が辛うじて生きようと思えるのは あなたがいるからという矛盾 何年も何十年もあなたに縛られて 老いて人生と希望を失っても それであなたが死なずに済むなら そして僕が死なずに済むなら と言い聞かせる嘘 あな…

キリンになりたい

僕は自分のかっこ悪さを知っているから キリンになりたい 敵に壮大な頭突きをかまして 忘れたい自分を キリンになりたいそして背中に君を乗せて走っていきたい 頭に君を乗せて高く持ち上げてやりたい 青空と草原と地平線と 澄んだ空気と忘れた自分と キリン…

毒と解毒

外界から隔離されたこの小さな国であなたと二人きり 僕はあなたに束縛されて自由がなく あなたは自殺念慮に束縛されて自由がない 僕らの未来に栄光はなく 閉鎖された生活圏で狭い行動範囲を繰り返し くるくると回り続ける 「誰も置き去りにしない」という理…

脳を壊して

脳を壊して 人に害を与え 私は戦うのをやめた それまでの職を捨て 壊れた脳を手に引きずり 人の情けに甘んじた 今後の人生に希望はあるのか 私を罵る人々の目の光を 声の揺れを指先の冷えを 見詰めながら 空っぽになった自分に問う 無論答えなど出ない 未来…

愛しき宿命

愛しき人よ 愛しき罪よ 狂わしい死と対峙した 儚げに震える 愛しき笑顔よ 束の間の紅蓮は燃え盛り やがて その赤々しい熱は死に絶える 枯渇した後に残るのは 宿命 影のように付きまとうそれから 逃れ続けるか あるいは向き合うか 枯渇した後に残るのは 宿命 …

共生

三日月がきれいだと 冬は寒く、部屋の中は暖かいと 平日は忙しいが休日はほっとすると たまに時間を作って出かけるのも大事だなと そんな何気ない事を感じる事が当たり前ではなかったり 真逆の感性や価値観に面食らって 笑う事も怒る事も今まで通りにいかな…

やりたいことがたくさんあるのに なぜか一歩が踏み出せない あれもこれも欲張って 全部やろうとして気が遠くなって 何も手につかないままだ だるいから、疲れているから、やる気が出ないから というのは全部嘘だ 僕はお金は欲しくない 僕は世間体は欲しくな…

最後の日が落ちる前に

ひどい吹雪の日 暖かい部屋の 暖房の傍で 窓から荒れ狂う天気を眺めている所を 絹よりも滑らかな刃で ふいに刺してほしい 痛覚がないまま うとうとしたまま 静かに血を流して 眠りに落ちるように絶命したい 買ったばかりの服を着て 買ったばかりの家具を眺め…

かかし

僕はかかしだから足がない 人のように歩き回れない いつも人から「歩いてみろ、できないのか?」と 馬鹿にされ からかわれる もう死んでしまいたいとか いつか殺してやろうかとか そんな事思っちゃいけないという思いとのせめぎ合い 「歩けないのになんで生…

続きがある 歩け 歩け

終わりだなんて誰も言っていない だから続きがあると決めることにした 道は確かに真っ暗で先が何も見えないけれど 踏み場はあるし単に見えないだけだ 止まるな足 歩け 歩け 見限るな頭 見えない可能性に向かって進め そこに道があることを信じて 見えない先…

鼓動

孤独の時間が長すぎて 立ち上がり方を忘れてしまった だけど昨日からずっと 鼓動が続いている どうかそこへ行かせて下さい 君が羽で飛ぶなら 僕は這って転げよう 鼓動が続いている 死んでいた体に 血が通い始めて 目には光が戻って 僕の生活に鼓動が生まれる…

あなたの声だけが聞こえる

目の前で起きたことの意味も解らず 僕はただあなたの鼓動を知った 昨日と今日との違いも解らず 僕はただあなたの微熱を知った 昔のことを思い出しながら これから先をぼんやり浮かべて 混乱している頭の中 あなたの声だけが聞こえる 遠ざかる大切な全てが あ…

あぶく

曲線とか 高い声とか 薄紅色の頬とか 手をつないだり 笑い合ったり あなたがここにいるということ ふわふわした キラキラした 柔らかい幻想のような クジラが空を飛ぶよりもっと リンゴの雨が降るよりもっと 鮮烈な触覚のような それはあぶくだった 退屈な世…

悲壮で空虚な思索

生きるのに飽きてくると 何の根拠もないのに 「なんかもう死ぬかもしれない」と よく思うようになる 死ぬことを考えると 鬱になったり躁になったりしているうちに こんなことを考える 自分勝手に 無軌道にじゃなくて もっと自由に生きたい 自分が無意識に作…

酵素

気が狂いそう 努力無しで手に入れられたものが 次々消えていき 両手からこぼれ落ちていく 子供の僕が欲しかったものは きっと周りの人をみんな 笑顔で大騒ぎさせるもの全部 それが何になるのかなんて知らない それに何の価値があるのかなんて知らない 酵素が…

一文

本で目にした一文が 腹を刺し 頭を刺し 心臓を刺すことがある 刺された穴から意志が芽生え 空っぽだった心に 取って代わることがある それが今日 それが今 一文を書いた主は僕の師となり 気狂いの日々を塗り返し始める 悲哀の過去は契機となり 夕暮れ時に僕…

反芻

そのことを考えても 考えなくても 気が狂いそうな毎日 日曜の朝になったら 僕を刺してくれとその人に頼みたいけれど そんな終わり方じゃ どうせまた 巡り巡って 今と同じような人生に出くわすことが予想されるし 死んでもしょうがないから この気だるさを緩…

夕暮れ、僕は今でも

夕暮れ、もう日が沈みかけている 無気力な僕は今でも前に進みたい でも何か邪魔な岩がしつこく飛んでくる 何度もぶつかって 怪我だらけで血だらけで 無力な僕は岩を砕けない でも僕は前に進みたい 何度もつぶされて 時間は過ぎて残り少なくても 結局何もでき…

死ぬなペロリーヌ

死ぬなペロリーヌ 生きている価値がないなんて 誰が決めたんだ 誰が決められるものか 生きることが拷問なんて 言うなペロリーヌ 死んだって変わらない 死んで良くなんかならない 生きて変われ 生きて変えろペロリーヌ その中で倒れてしまえばいいだろ 変える…

降臨

来る 酒と音楽で あいつがやって来る 鬱病に抑え付けられた感情や行動や熱量の 総決算 しょうもないことで無駄に捨てられた 全てをひっくり返しに来る 孤独とか喪失とかをヘッドバンギングしに あいつがやって来る 降りて来たら 言ってやるんだ よう遅かった…

あるもの

行く所なんてない あなたの嘘が僕をまた刺すから 頭から消したい 武器なんかない 虚飾ならいらない 爪を立てる あなたといると 僕は傷付く ただ苦しくて悲しくて やり場のなさに爪を立てる 言葉はもういらない 僕には行く所なんてないし 武器なんか持ってい…

本質

自殺したい気持ちを 「自分は生きていける」という気持ちで塗り返す それは押し殺すんじゃなくて 言い聞かせるのでもごまかすのでもなくて 自分と未来を信じ切ること 自分は尊くて 未来は前に進んでいると 信じ切ること 一見綺麗事のようだが 周りの言葉は表…

全う

皆が僕に向かって言う お前は普通じゃない そうだ 僕は普通なんかじゃない 本当ならとっくに死んでいた だから生きているだけで勝ちだ 皆が僕に向かって言う お前は足りないものが多い そうだ 僕は足りてなんかいない 今までろくに食ってこなかった 飯も 知…

止められない時間を止めたことにして 自分自身を止めていた だるさや無気力を 鬱や目的観の無さのせいにして 日々を空しくしていたのは 諦めていた僕自身だ 僕を長年幽閉していたのは 本質的には家庭環境じゃない 欠落にとらわれていた僕自身だ 今 僕は走り…