はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

それは嘘でできている

それは嘘でできている
声も言葉も笑顔も仕草も
嘘をつくことに躊躇など持たない
だから表面では見分けがつかない
それは嘘でできている
甘えも気遣いも親切も優しさも
演技なんて意思疎通の一方便
だからいつも真に受けられない
それは嘘でできている
堕落した人生観の輩がお互いの
堕落振りを自慢し合う為の余興のひとつ
それが全部嘘でできていることに
彼ら自身が気付いていない
だから平気で他人を傷付ける傍らで
自分自身を知らずに破損させている
それは嘘でできている
だから何かを口実にして彼らは短期間で騒げるだけ大騒ぎする
期間が過ぎればあっという間に崩壊する
なぜならそれは嘘に過ぎないから
残るのは一部の集団の泡銭と捨てられた子供や関係者の苦悶だけ
彼らは嘘つきだ
彼らの価値観は全部嘘でできている

消化できない

頭の中から消えてくれ
僕は君を消化できない
これ以上どうしたいのかわからない
求めても奪っても
刺しても殺しても
腹の奥の要求は満たせない
飢えも疼きも止まらない


与えても尽くしても
守っても温めても
修羅の発狂は治まらない
飢えの衝動は断続する
これ以上どうしたってかなわない
頭の中から消えてくれ
僕は君を消化できない

不発弾

なんでだろう
胸の奥が痛くて耐えられない
気が狂いそうで
歯噛みして拳を握る
社会は性悪説が常識
浮世とか娑婆とか穢土とか
そんなことも知らずに
掻っ切られていた胸の奥
見えない所で 目と鼻の先で
裏切りとか豹変なんかが
日常茶飯事だったって
気付きもせずに掻っ切られ
僕は少しだけ眠りたい
ほんの少しだけ


ほんの少しだけ
夢を見ることがある
ほんの少しだけ
思い出すことがある
それがささやかな
力をくれることがある
たまに少しだけ
ほんの少しだけ


なんでだろう
胸の奥が痛くて
気が狂いそうで
僕の夢想が剥がれ落ちたら
からっぽになってしまって
それでも周りには敵がいて
裏切者がいて 嘘つきがいて
掻っ切られた胸の奥には
小さな爆弾が隠してあるなんて

独房生活の弊害

僕は長いこと独房の中にいた
身体じゃなくて生活が
心とか意識とか興味とかが
だから言葉が
わからない
何もない部屋の中で
自分自身が唯一の存在だから
他人が見えない
声が聞こえない
まともに生きて
いけない


それなのに今
会社に入って働いている
他人の気持ちを酌めないまま
自分とだけで仕事をしている
時々死にそうになる
死ぬ思いで生きるのは
なんだか矛盾を感じる
人との関わりがわかるようになりたい
他人の声が聞こえるようになりたい
そういう願いを最近持つようになった

SSKH

胸の痛みは発作
理性と一致しない感情
追求してはいけないもの
解放してはいけないもの
胸の疼きは発作
軌道を無視した衝動
追随してはならないもの
許容してはならないもの
飢えた狼が飢えているのは
この事に気付いていないから
それは飢えではなくて
発作だということ


溢れる涙は発作
本質と矛盾する幻想
そこにあるものには運命を変えられない
そこにあるものでは蘇生させられない
溢れる涙は発作
嘘をぼかしたおとぎ話
娑婆世界の落とし穴
一睡の夢の出来事

幽閉十九年

過去幽閉十九年
我身体不育、精神被捕縛
其状態何可能?
如何収得、如何経験?
人言、汝未熟、不知常識
否、我思、我使尽唯生
生事懸命、唯不死為
我思、人被幽閉時、我同様全不可能
不知可生、不知可在不死
其状態何可能?
如何可能常人生活?
人言、汝未達、不知世間
否、我思、其言等我健康常人、不可見被幽閉者
其意味等我勝利於幽閉十九年
否、我苦続現在
我両足被拘束於鎖