はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

2009-01-01から1年間の記事一覧

グリーン バーサーカー

こんなふうに 僕はグリーン バーサーカーに溺れてしまう もっと大事なことがあると分かっていても こんなふうに いつも時間をなくしてしまう そこに空虚な隙間が空いているから ほんの少し温度が欲しくて 手を伸ばせばそこに したり顔のグリーン バーサーカ…

ガムが伸びていく

人間は二種類だけじゃないって 生き方は一つだけじゃないって 言ったのに 聞く耳なんか持ちやしない その価値観は強烈で どっかの画家の絵のように 頭からぎゅっと引っ張られちまう 伸びたガムみたいに メビウスリングで 堂々巡りで 結論の出ない問題を延々…

くぐれない輪っか

輪っかをくぐれないから 上体が痛んで泣いた くぐれない輪っかを羨んで眺めて この痛みは一瞬のはずだから くぐるのを我慢して泣いた どうしたいのか自分でもよくわからない わからないまま上体の痛みをこらえて 現在の目前の課題をこなす 一瞬のはずだから …

僕は君に依存できない

3ヶ月に1回くらい それは爪になって胸を引っ掻くけれど 手をつないで 並んで歩いて それから 一人になった瞬間に 倒れずにいられるように何が必要かを思う時 僕は君に依存できない それでも腹は減り 僕は目まいを起こしている だけど もう それは核じゃな…

手の鳴る方へ

過去に刺さった棘と 今 刺さっている棘 人と出会うことに痛みを感じることがあると 初めて知った 耐え難い痛み 倒れ込んで耐え続け 頭がおかしくなったんだと 気が付いたふりをする 本気になれないのは 既に目標が達成されたからであり 現在 緊急の懸念事項…

声を

「嘘でもいいから本気になれよ」 僕は弱い 弱いからやらない なんて言っていたら 「本気になろうと思い続けろ」 できなくてもやろうとする姿勢 思えなくても思おうとする、一瞬の思念 それが、やれない僕の一番できること 昔を思い出したり 新しい流れにぶつ…

フラッシュバック

あれ なんで外に出たんだっけ? ああ そうだ 買い物に出たんだった というように 思い出したい ある日 不意に あれ なんで生まれてきたんだっけ? ああ そうだ 言いに来たんだった 腹の中のハンドルを回せば 物語が進むよってことを ほんの100年前に どこか…

解析のJKD

鎖につながれた甲が手を振る 鎖につながれて乙が笑いかける 犬が蝶を追いかけて くるくる回るように 不発した鼠花火のように 僕の日常がゆらめく ふらつき 眠りこけ 忘れ 空気が薄くなって 頭痛が起こり くらくらしながら ハンドルを回す 虚ろな心地で 原石…

わかっちまった

どうすりゃ突破できるのか わかっちまった どうすりゃその壁を破って 声が届くのか 偏ったシーソーを元に戻せるのか 踏み外した道筋から押し戻してやれるか 気付いちまった 結局は 僕自身の捨て身にかかっていた って こだわりや体裁をどこまで捨てられるか…

約束

生涯 声をあげて 前を指し続ける 人間になります だからまた お会いしましょう 短い言葉に 全てを込めて 生涯 声を響かせ 壁を越え続ける 人間になります だからまた 名前を下さい 拙い手紙に 未来をつないで

三つめ以降の物語

小さなゴールに到達して そこで終了した僕の すでに空っぽの僕の眼前にある本気の理想 それに対する気持ちと それに対さない気持ち ふたつの物語が崩れ落ちて 三つめの物語が書かれ始めて その本が出版される前に 読み終わった気でいるような ふたつのビルが…

イヤホン

気に入らないから野垂れ死ねと 言われた日からずっと イヤホンを差したまま寝起きしているから すっかり世界観が変わっちまった イヤホンをつけたままじゃ一緒にいられないと 言われた日から二年と少し 僕のイヤホンはあの時よりも完璧に両耳に入り込んだか…

点と点

砂漠にはサボテンがあって 真ん中にはオアシスがあるように ここには僕がいて そこには君がいる なんて はしょりすぎた 昼間はとかげが走り 夜中はこうもりが舞うように 今日は僕が目覚めて 明日は君が生まれる なんて はしょりすぎた 点と点が作る面 原子と…

はかいしょうどう

壊したい壊したい 壊したい 戸を壊したい 壊したい壊したい壊したい 時計を壊したい 壊したい 壊したい 壊したい窓を壊したい 何故だろう 病気だろう 何だろう 神経を壊したい 何だろう 精神を壊したい 何だろう この無能さ 何だ この破片 壊したい壊れたい …

紛れ込んだまま、今も生きている

一方的な思い込みで絶望して 自殺を前提に聞いた歌 病気だった僕には 音楽が点滴代わりだった あれから一年半 獣性の克復と 社会からの逸脱 そして 自殺からの解放 蜘蛛が壁を伝う 上の階から床を蹴る音が続く 中にいる修羅が天井を叩けと唸る だが今日はあ…

遠くの友人に

元気でいますか 健康に気を付けて とか ありきたりだけれど がんばって という言葉が嫌いだから 大いに笑って下さいね ということにしておこう 明日僕は戦いに行きます そして勝ちます そう決めたから 勝ったら新しいCDを買って 欲しかった本を買って 実家…

投げた石

正しいものを批判する場合 その批判の内容には必ず矛盾がある だから正しいものは正しいと 堂々と言い切っていくことが大事だ 矛盾があるまま批判を強行すると だんだん頭がおかしくなってくる なぜなら矛盾がある内容を「正しい」と主張するから 丸いものを…

冷蔵庫の中のキャベツ

キャベツが入っている冷蔵庫に 早く食わないと腐るぞと言えば そりゃ急いで調理して食うだろう でも、何も入っていない冷蔵庫に 早く食わないと腐るぞと言っても 何が? と思うだけだ あるいはキャベツが入っていることに 気付いていないのかもしれない 生き…

信じる

絶望が深いほど より一層希望を持つ それが信じるということだと思う 現実を見ないということじゃなくて 夢想するということじゃなくて 手放さないということ 自分自身を 見限らないということ

病気のシャングリラ

シャングリラが病気だから 薬を買いに薬局に行った だけど薬は小麦粉ばかり インチキ薬剤師を糾弾して 裁判で8万リラぶん取った それから蝶になる夢を見て ゴミの中で暮らしている 天真爛漫ってのは 勤務中じゃ生かせない シャングリラが病気だから 声を聞…

冷蔵庫

冷蔵庫になりたい 冷蔵庫になりたい 冷蔵庫になりたい 色んな意味で 冷蔵庫になりたい グレープフルーツになりたい グレープフルーツになりたい 冷蔵庫の中で 食べられずに乾燥して グレープフルーツになりたい スプーンになりたい スプーンになりたい スプ…

水のように

遠くの花火が鳴っているような 微かな痛み 水のように いつも変わることなく流れ続けていたいと おぼろげに願いながらも 現実から逃避して 逃避で築いた自分の世界に入り込んで ほんの些細な痛みに胸を衝かれる 水の音が聞こえる 流れていく音が聞こえる 滲…

ぶつけるべきもの

依存心の強い僕に 慰めなんて与えないでくれ 言葉をひとつぶつけて 放っておいてくれ 何でも人任せの僕に 優しい顔を見せないでくれ 気持ちをひとつぶつけて 置き去りにしてくれ うわべの関係なんていらない 傷ひとつないつながりなんて どうせすぐに消える…

10時間

10時間かけて 約束を果たし 10時間かけて 覚悟を決めた 一日つぶれたその裏側に 無数の花が咲いている 甘い言葉を使った嘘は何よりも嫌いだから 嘘だと言ってほしくないから 僕は踏み出すことを躊躇する 懇願が咲かせる花を見るために また数時間をつぶす 嘘…

嵐が過ぎた それまでの全てが夢だったかのように 悲哀を受け止めようと僕が決心したから 悲哀を振り切ろうと君も決心した それで問題は解決した 直線同士がぶつかって交点になり 通過してまた軌道を進む それだけだ 先のことなんて考えられない 何も考えずに…

鼓動の意味

苦しんでいるだけじゃしょうがない 駄目でもいい 駄目だとわかる瞬間まで 欲しいものは欲しいと思い続ける 一般も世間体も普通も穏便もくそ食らえ くそ食らえよ くそ食らえ 気が狂いそうだから このまま消すのが癪だから 違う 下らない制約なんか腹を決めて…

枯渇

気が付くと考えてしまうことは同じことで 夢うつつのように幻を眺めている 明日は散るかもしれない 綿毛のような花なのに どうしようもなくまともになれない故障した頭 悪いのはこの目か この耳か 口か 鳴り響く空腹の声音 枯渇の腕が宙をさまよう 大したこ…

さよならと言いながら ぶっ飛んでいることがおかしくて 笑いながら手を振って その手で泣くんだろう これは何の暗示だろうと思いながら 一瞬の冷たさに耐えている数日 そして数週間 環境に変化なくとも心境に変化あれと 考え込むのをやめてのめり込んだ数時…

引っ掻き傷

別れがこんなに辛いなんて初めて知った 今頃になって 本当に 惨めで馬鹿で敗北者のように 涙が溢れて止まらない 止まらないよ畜生 どうしようもないことだ どうしようもないことなのに どうしようもないことだから 痛い 引っ掻かれる 痛い 痛くてたまらない…

反撃

自分を救えるのは自分だけ 悲観はどこから起こるのか それは盲目から起こる 自分や周りが見えていないことから起こる 目をひらけ 支えてくれるのは他人 起き上がるのは自分 沈んでいく数秒間に それでも それでもと 力ない腕を上げ 過去を振り返らない 敵を…