はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

2008-01-01から1年間の記事一覧

安全圏

うまくやろうなんて思っても うまくなんかいかない それに気付くのにあとどれくらいかかるだろう その場その場でのあがきが必要だということに 時間がなかったり 体力やら気力がなくて 全く片付けられないでいた部屋を掃除する夜 卵の殻や綿ごみにまみれなが…

麻酔

感覚がなくなる 昨日のことを全く覚えていない ただわくわくしている この奇妙な感情 何かが壊れる予感 何かが変わる予感 僕は責任感をなくし ただ自分の気持ちに素直に 僕は危機感をなくし ただ自然体に 外からの攻撃はもはや攻撃なんかじゃない もう何も怖…

ザンブラコ ザンブラコ

それは身投げなんかじゃなくて 一か八かの博打でもない ただ一歩前に踏み出したということ 成功とか失敗とかじゃなくて 順調だろうが不調だろうが どっちにしろ 前に動いたということ 動けばそれでいい 動いて 何かあってもなくても くよくよしなければ あと…

隙間風

頭にエタノールを塗ったくって 仕事をした 自律神経をリセットするために 背中にお湯をかける 頭からエタノールのにおいがして 馬鹿みたいだった 嘔吐系のロックを聞きながら イヤホンをつけたまま眠って イギリスに行った夢を見る ふいに 十数年間 割れたま…

転換、変換

いくらもがいてもできないものはできない できなかったことを反芻してもしょうがない だから忘れることにした 歌を聞いて 映像を見て 記事を読んで 夜食をたいらげて それでその物語は終わり で、次の話が始まる 理科の教科書に書いていた エネルギー変換の…

依存症

酒を飲んでいるようなもんだ 毎晩、夜明けまで飲んだくれて 朝から昼まで、出社ぎりぎりまで 酒を飲んで現在をぼかす ろくに目も見えないまま道路を走る そんなのに似ている 多分こうだ 不安が大きすぎて やるべきことが多すぎて 時間が足りなくて 訳がわか…

アンチストイック ヒューマニズム

苦しいのを我慢して 耐えて耐えて耐え抜いた先に 幸せが待っている、 そんな考えは捨てることにした 実際苦しいだけだから 厳しくされて鍛えられた 厳しくされたから成長できた なんて嘘だ 信頼関係がない中での厳しさは ただのダメージ、ただの勘違い むし…

かかしみたいに

一度でいいから 体を害することなく 三日三晩 風に吹かれてみたい かかしみたいに 一度でいいから 体を害することなく 三日三晩 空を眺めてみたい かかしみたいに 一度でいいから 体を害することなく 三日三晩 雨に打たれてみたい かかしみたいに

回転

強力な力で この世が変わるように 強力な力で 自分が変わるように 朝な夕な 労を注ぎ 心を注ぐ 地面が回り 空が回る その中にいて 止まっていた僕自身が やっと回り出す 憎しみの中に咲く感謝 地獄に生えた向日葵 強力な力で この世が変わるように 強力な力で…

子供同士

思い通りにいかないから ぶっこわすって 子供みたいにわめく 駄目な大人 子供が大人になる過程で 大人を馬鹿にする 大人は腹を立てて 子供をにらみつける 甘えてばかりの駄目な子供 それをどうにもできない大人 どっちも不器用で どっちも子供っぽい

そしてそこにいる

苦しかったから しがみついた 生きるためじゃない しがみつくために 否定しなくていい ピストルで撃たれなくてもいい そこにいて呼吸を続ければ それだけでいい そうして残るもの そうして残る命 生きるためじゃない そうするために

心境

11月が冷えるから 暖房をつけて重ね着して 自分に影響を与えたパンクロッカーの 詩集を買った 詩の他に本人が書いた絵も載っていて その中に自分が昔書いた絵とそっくりな絵があった 単なる偶然だけれど 同じ心境の人間は書く絵も似るんだなと思った 狼(ある…

人形

わがままな僕は 都合のいい人形が欲しかっただけだ それはただ首を縦に振る 崩れない笑顔をたたえた 腹を空かした動物のように それを目で追いかけ つかめない日々 捕まえられない日々に 気力をなくす そんなつまらない暮らしはいらないと 言って壊すことが…

ひとつの器に 大量に水を流し込んだら 溢れるに決まっているのに なんで 流し込み続けるのか? 溢れた水は 器を伝い 卓上を流れ 床にこぼれる なんで 止めないのか? 焦りが人をおかしくするから また人がひとり 瀕死 落ち着いて 器から 水を出してやりなよ

ロック鳥でこんにちは

生きるってことは 笑っていればいいらしいね 滑って谷底に落ちても ロック鳥が連れ戻してくれる そんな にんまりした人生 苦しみを苦しまない 何があっても もう何も考えない ちょうちょを追っかける犬のように へらへら笑って よだれを垂らして ざんざん降…

ハンドル

カマキリが夜の舗道を飛ぶ 暗がりを舞う緑の飛行体 フライングカマキリ 「人にはみんな腹の中に 手回し式のハンドルがあって それは宇宙とつながっているんだって」 フライングカマキリの散らばる 夜の道路を歩く仕事 いらっしゃいませと書いた紙を配る仕事 …

髪の毛と喉の血

髪の毛の切先とか光とかが 狼の腹を鳴らす 「キムチはうまいなあ」 目を逸らしても 腹が膨れない 心労が体重を減らす −2キロ −3キロ +5キロ、 −2キロ −3キロ +5キロ・・・ 憔悴とコレステロールが相殺される 喉から血が出る回数が 増えた 化粧よりも 衣…

いただきます

いらっしゃい よく来たね 君は優秀だね 何でもごちそうしてあげるよ 君は何でもできるはずだから 無条件に信頼するよ 死ね 死ね お前は馬鹿だ さあこれをやってみろ できなかったら出て行け なるほど どんなに手際のいい人でも どんなに器用な人でも 人間に…

飽食神話

競争社会の大合唱が始まる 持てる者、持たざる者 残る者、消え去る者 地球よりも重いはずの命を 全てつなぎとめるだけの食料は 地球にはない 地球にある資源に対して 人はあまりに増えすぎた バランスの崩れた種の重さで 丸い地球が傾いている そして 地球よ…

水色

水色になりたい 黄土色の僕は 水色になりたくて 絵具を買った 体に塗ってみたけれど はじいてしまう 水に溶かしても そのままでも 僕に絵具がつかない 黄土色には黄土色の良さがあるなんて 言わないでくれ 嘘つき 理想を語るのは大体の場合 口だけで 優しさ…

光沢

鉄のクッキーを並べて 食べずにただ眺めてみる やがて手垢がついて 錆びちまうけれど それまでだったら眺めているのも いい気がしてしまい 馬鹿な僕は光沢を 何度も目で追いかける 何だてめえら うまそうなにおいを発してんじゃねえよ 馬鹿な僕は 何度も 鉄…

アンズジャム

イチゴジャムとブルーベリージャムの違いはよく分かる ママレードとグレープフルーツジャムの違いもはっきり分かる リンゴジャムはジャムというよりアップルパイの具だ しかし アンズジャムだけは特徴がよく分からない いくら食べても甘いだけ 甘いだけだ 例…

クッキー

食いてえのに食えねえクッキーが 目の前にあったりする それはどうやら鉄製だ それはどうやら毒がある 色々思ったが やっぱりどう見てもうまそうな普通のクッキーだ ああ俺は駄目だ 何でも食いもんに見えちまう 食えるもんに見えちまう なあ胃袋、 気持ちは…

クリームをこぼす

ああ、 仕事の多さに体がついてこない 時間のなさに頭がついてこない ああ、 深夜に食べるシュークリームの クリームをたっぷりズボンにこぼす こぼれて落ちる睡眠時間 尖って口に刺さるパッケージのような世間 ああ、 フォーマットを作らなきゃ 待たせてご…

生きる意味

人は人と関わるために生きている 人との関わりがないと生きる意味がわからなくなる 自分は不幸だと思えてくる 死にたくなる 人は人と関わることで人になっていく そうやって生きる意味を分け合って 一緒に笑って 一緒に泣く

わーい

崖から崖へ 深い奈落の亀裂に向かって わーいと叫びながら 飛び出した 向こう岸へ 届かず落ちていったようだった 落下する感覚の中 引っ掛かった一本の枝 死なずに済んだ と思っただけだった 死なずに済んだだけだと でも 不思議だ 今いる場所が驚くほど 自…

ニヒリズムの急所

心が空っぽのままだと走れないと思っていた 戦えないと思っていた でも違う 走りの中で心に蓄積されるものがある 戦いの中で心を満たしていくものがある それが命の躍動だ

底から

呼吸をするのもままならないほど 精神が苦しみの地獄の底にある時 涙がひとりでに溢れたり 渇いて全く出なくなったりの繰り返しにある時 心を蘇生させるためになすべきことは 他人の生き方、生きる精神、生きる想いを学ぶことだと思う 特に、誠実な人から 鉛…

行き先は衝動

趣味のためだけに生きたくない 趣味を窮めて何かを得るとしても 名声と金しか得られない 人に何かを与えることができるとしても それには限りがある 片手間でいい 趣味は道具だ 陶酔のためだけに生きたくない もっと動きたい もっと 結論を急ぐことはできな…

空白を埋めるもの

心の空白を何で埋めようか 手元の積み木で埋めてやろう 積んでも積んでも崩れてしまう積み木に また積み木を積んで崩れ また積み木を積んで崩れ 気を失うまで繰り返す 心の空白を何で埋めようか 手元の積み木で埋めてやろう 積んでも積んでも崩れてしまう積…