僕には話を聞くことしかできない 泣いている君の声を聞くことしか 憎たらしい奴を殺してやりたくなる夜も 胃に穴が開きそうな瞬間も 君の消え入りそうな声を聞くと 自然に優しい声になる 気が狂いそうになるのを 抑えながら 殺意を噛み殺しながら 優しい言葉…

まともな人は まともじゃない人の気持ちがわからない まともじゃない人は まともな人の気持ちと まともじゃない人の気持ちがわからない それなのに 僕は知ってしまった 両方の気持ちを だから何も言えない どちらに対しても 孤独だ なぜ 障害なんかがあるの…

喜ぶ君がいないと 何もかもが色あせる 仕事で契約を取っても 連休をもらっても 高級料理を食べても 流行りの歌を歌っても 君がいないと何の意味もない 燃えさしをつついているのと同じだ 一人でいること 話せる人がいないこと それは ビルの屋上の縁に立つこ…

君は 家族が一番 生活が二番 そして僕が三番目 僕は 一番がなくて 二番が詩 三番が生活 一番に君を持ってこようとしたが もう何度もすれ違ってしまった 基盤がないのが こんなに苦しい 僕にはやっぱり 生き生きと生きるのが無理だ 僕は君のおもちゃじゃない …