はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

2007-01-01から1年間の記事一覧

月は夜を照らすためのもの

不幸は照らされるためにある 不幸は朝を迎えるためにある 日が沈んで夜が来ても 夜は月に照らされる 月は夜を照らすためのもの (狼の遠吠えが響く) 完成を待っても完成はしない 未完成のまま動き出せ 欠けた月も夜を照らす 未完成のまま夜を照らせ 未完成…

ロープ

上にのぼるのは 下を見下ろすためでなく 下へロープを垂らすため だが実際は 下へ唾を吐き掛ける者が多い 辿り着いた上の位置が 標準だと思う者が多い ライオンは子供を谷底に蹴落として 自力で這い上がった者だけを育てるという それなら僕は 這い上がれな…

前に行く

破滅願望を捨てさせて下さい 僕は前に行きたい 諦めを拭い去って下さい できればなくしたくないものがある 目指すものなんかは持てないけれど もう後ろを見る気はない 不信を捨てさせて下さい 僕は信じたい 気後れを拭い去って下さい 破りたい壁がある 行く…

不幸になる予感、そしてそれを破るもの

僕は生きる意味がわからない 誰かを喜ばせようという気持ちも持てない だから気持ちが空虚で 何をやっても頑張れない そう思っていた このために頑張りたい そういう対象がないから 目標が持てないから 目的を見出せないから だからやる気が出ない 生きてい…

落ちて 落ちて 底に着いて 立ち上がる うまくいっている時は一瞬の夢 何もかも思い通りにいかない時が 立ち上がるために手を付く時間 地面に手を付いて立ち上がる もがく時間が自分自身の全て 大した成果なんて別になくていい ただ このまま終わりにしたくな…

最低限

最低限のことだけやって 何とか生きている 最低限のことしかやらないから いつも最下位だ 馬鹿にされても 励まされても 変わるはずがない この無気力 どうしようもない時は ただ、 生きることに耐える 生きられないまま生きることに 思い通りにいかないこと…

今が空っぽだから

躁病の時はそうと気付かず 自分は元気になったなと思う そして元に戻った時 あれは病気だったのかと悟る 過去が頭から離れないのは 今が空っぽだからだと 箸を持つ気力もないのに 物を壊す余力はあるらしい めちゃくちゃになった生活を それなりに楽しんでい…

チェーンソーと地球

チェーンソーや睡眠薬 鉄道や車道 歩道橋や上階の窓 前向きは後ろ向きの反対で 生きるは死ぬの反対だって 声を出さずに笑う 疲れたよ、地球 グラスを割る 皿を割る 段ボールを破る 封筒を破る スプレー缶を投げる 時計を投げる 生きるにはお金が必要で 仕事…

空気に向かって

どうも こんにちは これから未来のために 前向きに取り組みます そこに何の確約がなくても 幸運が来ることを夢見て この先は谷底 つまり空気に向かって 一歩踏み出します そこに地面が現れることを夢見て その努力が自己犠牲のように思えても 自己犠牲に ふ…

あてのない世界

さまよう僕らは いつも問題を抱える この世は勝つか負けるか、だけ どこも問題だらけ 泳いで渡るも 立ち尽くすも 流されて溺れるも どうにでもなる危うい自由 さまよう僕らは いつも壁にぶつかる 勝つための道、逃げる道 答えのない海を泳ぐ 問題を解決する…

不可能

静物になろうとしたことがある 一度、 二度、 三度 それはもうずっと前のこと そしてつい最近のこと もう甘えたくない でも 何かに寄りかからずには 立つことすらできない できない できない できないなんて 不可能な状況に 不可能と答える そして可能はいつ…

虚脱

音楽と鬱病に張り付けにされて 何時間も動けない そんな休日 そんな早朝 日課をほったらかしにして 僕は逃げている 逃げ場をくれ 逃げ場を 隠れられる場所を 姿を消せる場所を 興味のない現実に滅入って 一日中動けない 自由時間は自動的にどぶの中へ 自由時…

歯車を回せ

体を休めるのはもうやめよう ストレスのはけ口を探すのは終わりにしよう 前に進むには歯車を回すしかない 歯車を 回せ 2センチ 回して 倒れろ 何もできないと投げやるのはもうやめよう どうしようもないと悲しむのは終わりにしてやろう 今を変えるには歯車…

破滅前の深夜

自分を放り投げてもいいんじゃないか そう思う最近 行き着く先が苦しみと憂鬱なら 安定にしがみつくのはもうやめて ぽんと飛び出してみれば 別に経歴とか 技術とか実力とか あったってなくたって 生活の節々に感じる自然や季節に 酔いしれていたいだけ 仕事…

ラジコン

物売りは疲れる 薄っぺらな皮の内部で 矛盾がぐるぐる回っているから 表向きには モノ売りではなくコト売りになれ 「どうすればいいか」ではなく「どうしたいか」だ と言っておいて 結局言われた通りにしか動かせてもらえない 言われた通りに動くだけだ 上の…

鬱と歳月

真っ赤な木の実をもぎ取ったって 僕には添える花がない 貪り食って殻を投げ捨てるだけだ さようなら、自然の恵み きれいな宝石を盗んできたって 僕には飾る台がない 光に透かして海に放り投げるだけだ さようなら、神秘の結晶 何にも興味がない 飢えを突き抜…

アパートの隣室

隣室の嫌がらせに 嫌がらせで仕返しする 一時は治まっても 憎悪は消えない 憎悪は消えない 耐えて無視しても 嫌がらせは治まらない 大人ぶってみても 大人ぶってみても 遊戯は執拗さを増す いきり立つ槍の感情 隣室の嫌がらせに

ピエロ

要領が悪くて 間が悪くて 人を不快にさせてしまうことがある それはなぜかしょっちゅう起こる さりげない という言葉とは無縁 何かしらへまをする どじを踏む 朝目が覚めたら ピエロにでもなってしまいそうだ 布団は大玉になり 枕はステッキになり 道行く人…

生きる生き方

遠すぎる距離に呆然とするより ここから少しだけ泳げばいい 描き切れない風景を おおよそ描いてみればいい ある程度まで 立てた柱が倒れたら 次の柱を立てる 崩れ落ちたブロック塀に 泥を塗って積み直す 単純に その中に生きてくる 失敗と未来と 自分が生き…

乾燥

僕らは年を取って 気付けば汚い姿に変わる かつて僕を苦しめた あなたの美貌も今はない 呪縛が解けて僕は自由になった 自由になった 子供の頃持っていたのと 全く逆になった価値観 ひどく腹を空かせていた犬は やがて貪欲な狼になり 最後は水さえ必要としな…

盛りそばエレジー

帰り道 食欲が全くなくて 盛りそばさえも食べるのが苦痛に感じる時 それでも何か食べなくてはと あちこち店を探した結果 結局ましな物が 盛りそばしかなかった時の悲しさ 冷水を飲み干せば 胃袋が嗚咽する

2進法

「あなたのような 取っ付きにくい人は邪魔だから 早くいなくなるように あからさまな態度を取ります」 「あなたは利益を生まない あなたは損失だ あなたを育てる余裕はない 手間のいらない利益だけを歓迎します」 聞こえない声を 仕草の中に聞き取る 見えな…

やりがい

誰のために 面倒な人間関係に挑む 誰のために 睡眠時間を削る 何のために 苦情に耐える 「お客様の『ありがとう』がやりがいです」 「家族の笑顔がやりがいです」 「自分の意思が反映されることがやりがいです」 浦島太郎は玉手箱を開けた後 生き抜いたのか …

苦衷の願い

左脳を使え 左脳を動かせ 切り開くにはそれしかない 指示系統を自分に作れ 理不尽に叱られるがまま がむしゃらに頑張り抜いて 先人と同じやり方を覚える そんな時代は終わった 左脳よ回れ 左脳よ働け 僕を変えてくれ この闇を破ってくれ 叩き込め 酷使せよ …

ついさっきまで笑っていたのに 今は憎しみにうち震えている 二枚舌のように 光と闇を織り交ぜて叫ぶ ごめんね こんな人間で 不可解でもそのままで 振る舞わずにはいられない 人の心がロボットみたいに 一定だったらいいのに 自分を押し殺すのが大人だという…

その歌を

会社人間と過ごした時間 車道に飛び出す手前の疲れ 何か歌ってくれよ 静かなやつを 睡眠不足の日々 山積の業務 答えに詰まる夜を グランジで耳ごとつぶす 混み合う電車に汗だくのスーツ 戦意喪失の憤りと駅前の猿の群れ 何か歌ってくれよ 激しいやつを 瞬殺…

ハト使い

全てのビルの壁面が粘土だったら 穴だらけにして次々ハトを押し込めるだろう そんな馬鹿な遊びに興じ 気が付けばヘビ使いならぬハト使い 仕事を失いハトを得て 焼き鳥屋を新装開店 店では毎晩手品を披露 ハンカチやスティックの先や 帽子の中からハトが登場 …

賭けと衝動

見えますか この煙が 見えますか 小さな焦げ目が これはただ答えがわからなくて そちらを目指して泳いでいる わずかな希望に賭けた男の 残り少ない情熱の切れ端です 馬鹿な奴と 笑うもいいでしょう 哀れな奴と 呆れるもいいでしょう 答えなんかわからない わ…

不眠

不眠の夜に 不眠の夜に皿を割る 散ったかけらを拾い 掻っ切りたい目の前の景色 何のために底で呻く 何のために

最後のあがき

数ヶ月に一遍燃やす火は 一瞬で燃え盛り、束の間で消える 消えて、少しぼんやり過ごした後 灰の中に温度が残っているか 時々手を当て確かめては 火を起こすための道具を探す 見つからない火打ち石 見つからないマッチ棒 温度がなくなる前に 早く大人にならな…