はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

2007-01-01から1年間の記事一覧

弱小第三勢力

大脳も小脳も 使い物にならない 感覚だけが頼みの綱らしい が そんなもので飯を食うのは難しい 精神論で頑張ったところで 頭の構造は変えられやしない 八方塞がりの日々 とりつかれたように 感覚だけを研ぎ続ける やる気のないまま 適当でいい加減に暮らせた…

とりとめもなく 頭の中がぐちゃぐちゃだ 忙殺 という津波 日々の仕事に押し流されて 大事な何もかもがほったらかしだ 見せかけの安定生活をやめて 犬みたいにその日暮らしをしてやりたい 無難に回る薄給を捨てて 時間と健康を取る投げやり (貧しさにはわお…

かばん

空っぽのかばんに貼り付いている 一枚の小さなもみじ 触れているあたりを赤く染め 冷たい風を呼んでくる かばんの中には映像が流れる 見覚えのある笑い顔や どこかで見た泣き顔や おぼろに何度も繰り返す にわか雨が降り出して かばんの中は掻き回された 突…

勘違いの日々

全てがどうでもいいはずなのに 支えが欲しいと思う 何にも執着なんて持てない 人生に興味がないのに それでも日々生きる中で 時折得られる喜びに騙されて 生きてみようなどと勘違いする 勘違いさせてくれ 束の間の閃きで 何かの間違いで 騙し続けてくれ 自分…

残ったまま

消しても消しても 消えない文字のように 二度と取れることのない きれいなおもちゃに付いた傷のように 残ったままなんだね ずっと 酒を日々飲んだくれても 意味なく突っ走ってみても 残ったままなんだね ずっと 拭い去りたい気持ちと 大事にしまっておきたい…

楽しくてしょうがない

頭の中でうさぎが跳ねている 僕の周りでうさぎが跳ねている 表皮の裏を探りながら 僕はだんだんおかしくなる 生活は一変した 前腕と上腕を鍛え 仕事に真面目に取り組み始め 仲間との談笑が増え 電車での読書を再開し 言うべきことを言うようになる 弱い自分…

枯れ果て 疲れ切った日々に ほんの一瞬 聞きたい声 降らない雨を待つように 僕はそれを望む 足元がふらつき 前のめりになる一瞬 思い出す声 それを繰り返し 僕は生き続けている 優しい人よ 温かい人よ いつかあなたと 春の日を浴びて それまでの苦しみを 笑…

落書き

消しゴムで 消してしまってくれよ 気まぐれで書かれた 落書きだから くしゃみが出そうだったんだ だからくしゃみをした それだけのこと ただそれだけの 目の前を チョウチョが飛んでいく それを追いかけて 迷子になる 間抜けな犬なんだ 間抜けな放浪記 白い…

真っ二つ

俺を殺してくれ さもなければ別人にしてくれ 二つに一つ このまま前には進めない 熱しやすく冷めやすく 俺は船上のバケツのように転がっている その状態に気付いている 立て掛けたモップにぶつかって止まる ふいに遠くから自分を見てみる 一瞬の心痛 笑いな…

飢えとうさぎと有頂天

白いうさぎがやって来る 真っ白なうさぎがやって来る 遥か遠くの彼方から 小さな体で一歩ずつ 腹が減ったよ、腹が減った 聞こえるか地球、腹の鳴る音が 目まいがしてぶっ倒れそうだよ もう少しだけ支えていてくれ 赤い眼をしてやって来る 真っ赤な眼をしてや…

ひと掻きの抵抗

疲れた疲れたと言って 何もできない自分が悔しい いくら休んでも どうせ体は傷んだままだ だったら動いてみないか 今から 目標なんか持てやしない 夢なんか描けやしない どこへ行きたいかなんて まるで見当もつかないが 疲れに逆らうために 空虚さに逆らうた…

俺を破れ

満月よ なぜ俺はまだ生きている 地震 テロ 病気 殺人 事故 なぜ俺を殺さない 満月よ なぜ俺はまだ生きている 聞こえるだろう 俺の中身の破れる音が 音楽よ 俺の耳をつぶせ 叫び声よ 俺の聴力を奪え 俺の中で飼っている狼が 日に日にストレスを喰って 醜く成…

歩く

道端で拾った小さな緑の小石 宝石か何かわからないけれど 気に入ってポケットにしまった 手に取って眺めて 光に透かして はしゃいでいたほんのひと時 空から金貨が降ってくるかと思い込んだ 地面がケーキになったかと見間違えた 通行人に殴られ マンホールに…

開けっ放しのドア

ドアを開けると いつも何かを失ったり 虚無に落胆したりで 最後は固く閉ざしてしまった でも今は違う ドアの向こうに何もなくても 開けた途端に何かが出ていって それっきり帰ってこなくても 僕は変わらずここにいる ドアは変わらずここにある 開けたまま 雨…

血縁

三日月の夜に あなたの声を聞く 罵倒と憎悪と軽蔑の過去は 今も消えない けれど 相変わらずの貧困ぶりで いつの間にやら還暦も過ぎて 「お前の自転車を貸してくれ」 わざわざ電話するなよ 借金まみれの あなたはなぜいつも 穏やかに笑う 過去を踏みつけたま…

実際に求めているもの

すっかりやる気がなくなって 何もかも投げ出した なんて役立たずな自分 自己卑下するのも飽きた 燃え尽きた時の対処法を調べた 「嫌なことを辞めて趣味に没頭して下さい」 なんだ、簡単なことだ 音楽を聞きまくって 詩を読みまくって 書きまくろう しかし翌…

盲目飛行

ぶつけて、ぶつけて、 ぶつけまくった愛情が いまだに溢れて治まらない 壁にぶつけても跳ね返らない 持て余してはゴミのように捨てる 空っぽになった途端、また溢れ出す たくさんの場面 きれいに残りすぎる記憶が 強い痛みになり 消せない 音楽を聞く 食事も…

死への想い 生への想い

雨の降る暗い深夜 僕は車にはねられた 道路に倒れ頭を打った 運転手が飛び出して 救急車と警察を呼んだ 雨に打たれて僕は震えた 運転手も濡れながら僕の手を握っていた すみません、すみません・・・と 何度も言っていた 通りかかった何人かの人が 大丈夫ですか…

エゴイズム

ベルトコンベヤのように流れていく世間の営み そこから外れた所に小さな宝物が落ちていることがある 手を伸ばしてそれを取りたいが ベルトから落ちて流れを狂わせる危険がある エゴイズムと公共の利益 リスクへの挑戦と惰性への追従 二つに一つ 燃え尽きた灰…

願いよ叶え

きれいな音色が僕の不安を殺してくれる 短絡的な淡い期待が僕を明るくしてくれる 外では必死に大人ぶっても 内ではありのままをさらけ出そう 「こうあらねばならない」 「せめて人並みでいたい」 そんな考えは捨てることにした 末期ガンを治した人が僕を勇気…

切り離したら

余りにも痛むので 思わず呼吸が苦しくなるほど 僕はぼんやりする 無視と差別 罵声と混乱 仕事の山 期限の切迫 見失う糸口 重なる残業 そんな苦しみが比べものにならないほど ひどく痛む胸の奥 片手で押さえる 現実感のない ずっと夢を見ていたような ふわふ…

落ちた破片

自分のどこか一部が取れて 転がり落ちてしまった いらないや 僕は笑って放り投げる 朝は夜になり 太陽は月になり 小鳥はこうもりになり 苦痛は愉快になる 日が沈んだ後 この星の自転が止まる やがて地表は凍りつき 氷河期に戻るだろう 突風が吹いた瞬間 僕を…

生(せい)

僕を抑圧するものよ お前を許さない この生活を奪われても お前を許さない それはあるいは上司であったり あるいは差別や罵倒であったり あるいは傍若無人な隣室の住人 あるいは友人からの一方的な批判 あるいは恋人の豹変 あるいはバーンアウト あるいは狙…

それでも

駄目でもいい できることをやってみる 間に合わないかもしれない 無駄なのが目に見えている それでも あきらめてほったらかすより 何かしていたい 自己満足か 現実逃避か 愚直か馬鹿か ただの偽善か 駄目でもいい 何かしていたい 役に立たなくても もう間に…

いた

自分以外に詩を書く人間を やっと見つけた ペンを研ぐ真似をして 僕は歯ぎしりする

出口のわからなくなった迷路 壁を伝うのはもうやめて 白いペンキをかけてしまおう 積木で組み立てた城 接着剤で固めずに もう一度崩してしまおう 走るために足枷をはずす 腐った一部を切り落とす そんなふうに 今 白いペンキをかけてしまおう あなたは泣いて…

脱殻ジレンマ

勇気を出したい やる気を出したい 行動を起こしたい もっと強く、もっと大きく 無気力な 疲れの抜けない自分に耐え続ける 努力のできない自分に耐え続ける 生きることに耐え続ける 心はここにあらず どこへ行ってしまったのか 罵倒と嘲笑を聞き流し 侮蔑と差…

乾いた空気の中で ひと握りの砂になれたなら 吹きっさらしの風の中で 流れるように宙に消えたなら あてもなく 知らない町をさまよう 僕を救う何かに出会えないかと 微かな祈りを持ちながら 燃え尽きた灰のような この生活が僕の全てなら 手首から流れる血で …

白く燃える

知らず知らずのうちに転げ落ちて 気が付けば泥に埋もれている 僕は生きる手段をなくしてしまい 吹き付ける風の中で冷え切っていく 消えていく体温と意識の浮遊感 悲しい気持ちさえもう起こらないのに あなたと過ごした長い歳月が 胸の奥できれいな色に染まる…

ぽっかり

ぽっかりと 浮かんだ雲 ぽっかりと あいた穴 そんな気分 降り続く土砂降りを テレビでぼんやり見ているような そんな気分 泣いたような記憶がある あとは何も思い出せない そんな気分 笑ってみる 何度もほほを叩いてみる それでもここに居る気がしない ぽっ…