わーい
崖から崖へ
深い奈落の亀裂に向かって
わーいと叫びながら
飛び出した
向こう岸へ
届かず落ちていったようだった
落下する感覚の中
引っ掛かった一本の枝
死なずに済んだ と思っただけだった
死なずに済んだだけだと
でも
不思議だ
今いる場所が驚くほど
自分がずっと望んでいたものとほぼ違わない
最初はそう見えなかったが
知れば知るほど自分の理想と一致する
不要物の売人を辞め
子供の世話をさせてもらえることになった
電車の窓の景色が変わり
接する人の種類が変わり
苦しかった逃避の日々が
今 攻撃に移るところ