はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

青い大海原を
きらきら泳ぐのが夢なんだ
と言って
飛び込んだそいつは
水面下にもぐったまま浮かび上がって来ない
きれいな海原には程遠い
そこは泥で汚れた沼だった


一年経ち、二年経ち、
三年経ったある日
あぶくをたてながら顔を出したそいつは
まだ生きていた
姿はなまずのようになり
泥まみれだがしっかり呼吸をして
目は光っている


青い大海原を
きらきら泳ぐのが夢なんだ
沼の中で
仁王立ちになって
なまずになったそいつは言った
俺、ここでも歩いていられるよ
夢はまだ捨てちゃいないけど


風に混じる海の匂いを嗅ぎ分けて
そいつは岸へ向かう
海を探すために
陸に上がろうとして