はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

反芻

そのことを考えても 考えなくても
気が狂いそうな毎日
日曜の朝になったら
僕を刺してくれとその人に頼みたいけれど
そんな終わり方じゃ どうせまた 巡り巡って
今と同じような人生に出くわすことが予想されるし
死んでもしょうがないから
この気だるさを緩和するものを 言葉を 表情を
緩和する何ものかを


80歳で死んで
宇宙に溶けて
土星の環に同化したい
それが 将来の夢ということで


ある夕方のその人の
それはきれい過ぎて いっそ死んでしまいたくなるほどに
感性を繊細かつ乱暴に掻き鳴らし
優しく僕の胸ぐらを刺す
それは何度も反芻されて
結論を出すと死にたくなるから


雨でも晴れでも曇りでも
日曜の明け方が来たら
朝日の見える場所で
湖の見える場所で
火のついたオレンジに
コーラをかけて ひとかじり
どうでもいい話をしよう
包丁なんか持たないで
痛みに翻弄されながら
この胸の苦しさをなだめてやろう

夕暮れ、僕は今でも

夕暮れ、もう日が沈みかけている
無気力な僕は今でも前に進みたい
でも何か邪魔な岩がしつこく飛んでくる
何度もぶつかって
怪我だらけで血だらけで
無力な僕は岩を砕けない
でも僕は前に進みたい


何度もつぶされて
時間は過ぎて残り少なくても
結局何もできなくても
誰も見てくれなくて空しくなっても
死にたくなっても
今でも僕は前に進みたい


邪魔な岩に何度もぶつかって
怪我だらけで血だらけで
無力な僕は岩を砕けない
僕は
夕暮れ、もう日が沈みかけている
僕は今も前に進みたい

死ぬなペロリーヌ

死ぬなペロリーヌ
生きている価値がないなんて
誰が決めたんだ
誰が決められるものか


生きることが拷問なんて
言うなペロリーヌ
死んだって変わらない
死んで良くなんかならない


生きて変われ
生きて変えろペロリーヌ
その中で倒れてしまえばいいだろ
変える中で命を尽くせばいいだろ


それをする気力がないなら
せめて死なずに
ただそこにいるだけでいい
いてくれるだけでいいから
誰が牙をむいたって
誰が消えろと言ったって
死ぬなペロリーヌ
殺すな その命

降臨

来る
酒と音楽で
あいつがやって来る
鬱病に抑え付けられた感情や行動や熱量の
総決算
しょうもないことで無駄に捨てられた
全てをひっくり返しに来る
孤独とか喪失とかをヘッドバンギングしに
あいつがやって来る


降りて来たら
言ってやるんだ
よう遅かったな
まだいたんだなって
普段から
ここにいてくれればいいのにって

あるもの

行く所なんてない
あなたの嘘が僕をまた刺すから
頭から消したい


武器なんかない
虚飾ならいらない
爪を立てる
あなたといると
僕は傷付く
ただ苦しくて悲しくて
やり場のなさに爪を立てる


言葉はもういらない
僕には行く所なんてないし
武器なんか持っていない
この体ひとつ
いや
体さえもあるのかわからない
あるのは
巨大な矢印と
逆流と
ふらつく自分

本質

自殺したい気持ちを
「自分は生きていける」という気持ちで塗り返す
それは押し殺すんじゃなくて
言い聞かせるのでもごまかすのでもなくて
自分と未来を信じ切ること
自分は尊くて
未来は前に進んでいると
信じ切ること
一見綺麗事のようだが
周りの言葉は表面をなぞっただけのもので
今の状況は一時的だ
本質は表面には見えない
一時では決まらない
自殺が結論になることなんて本当は全く無いんだ
揺らぐな
揺らぐな
お前は消えるな
お前を消すな
僕も消えない
僕も消さない
苦しくても
死にたくても
万歳自分
万歳命だ

全う

皆が僕に向かって言う
お前は普通じゃない
そうだ
僕は普通なんかじゃない
本当ならとっくに死んでいた
だから生きているだけで勝ちだ


皆が僕に向かって言う
お前は足りないものが多い
そうだ
僕は足りてなんかいない
今までろくに食ってこなかった
飯も 知識も 人生も
だからここに在るだけで十二分だ


普通じゃないままで
足りないままで
補う努力はしながら
僕は僕の人生を全うすべく
今日も字を書き人と会い働く