はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

一日の終わりに

地中の超巨大遺跡宮殿は
尖塔の窓の所まで掘り出して
窓から中に出入りできるようになった
腹が減って 腹が鳴って
時々お菓子が食いたくなって
お菓子の家の壁をちぎって食ったりしたけれど
宮殿の尖塔はとてもきれいで見事な造りで
窓から入れる一室は思いのほか快適で
どこからか
「お菓子の家をちょいちょいついばむのもいいだろう
 ブランコやら滑り台で遊ぶのもいいだろう
 海で泳いだり 砂を掘ったり
 木の実を採ったり 落書きしたり 大声で喚くのもいいだろう
 害にならない程度 好きにやればいい
 ただ、最後はここに戻ってきなさい
 お菓子の家で寝泊まりしないで
 一日の終わりにはここに戻ってきなさい」
って声が聞こえた気がした
あるいは 自分の中でふとそんな気がしたのかもしれない
宮殿に住むってことは
お菓子の家で寝泊まりしないってことだ
ってことには納得できる
宮殿にはお菓子の家よりも遥かに
食糧や財宝やその他諸々の必需品
広い空間や静かな環境、華やかな音楽や花や光で
満ち溢れているって
遺跡に古代文字が書いてあるんだ
宮殿の尖塔はとてもきれいで
今日からそうしてみよう
最後はここに戻ってくるって