はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

遺跡

すぐそこにあるお菓子の家
そこに入り込み、そこに住むことが
人生最大のイベントだと思っていた
でもそれはお菓子だから
やがて腐りもするし、ばらばらに壊れもする
ちょっと雨が降ればめちゃくちゃに溶けて流れてしまう
それなのにそのことは考えまいとして
やっぱりお菓子の家に住みつこうとする
それ以外に入る家が見つからないから


それがつい最近 違うことに気付いた
そのお菓子の家のちょうど真下に
超巨大遺跡が埋まっていて
それを掘り起こしてそこに住むことが
実は本当に必要なことだったってことに
なぜならそれは溶けないし
壊れないし腐らない


時々地面を掘り出してみては
現れる宮殿の尖塔らしきもの
お菓子もいいけど、なんだかもう
掘り出すたびに大地が揺れる
お菓子の家が揺れて、屋根が少し落ちる
真下に沈んでいる不可思議
お菓子もいいけど、お菓子よりも
そんな気にさせられるほど強烈な不可思議
もうすぐそこに住めるでしょうか
今日も明日も明後日も
朝も昼も夕方も夜も
今まで何とも思わなかった
その遺跡宮殿に僕は
いつ死んでも構わないように
地面を削り、今 向き合う
強烈なその存在に 今