はらぺこタヌキのらくがき帳

詩を書く練習をしています。

あぶく

曲線とか
高い声とか
薄紅色の頬とか
手をつないだり
笑い合ったり
あなたがここにいるということ
ふわふわした
キラキラした
柔らかい幻想のような
クジラが空を飛ぶよりもっと
リンゴの雨が降るよりもっと
鮮烈な触覚のような


それはあぶくだった
退屈な世間が吹聴した虚妄の灯
それはあぶくなんだ
否定すべきものでもなく
肯定すべきものでもなく
それはただ たやすく壊れるあぶくだということ